【漆・木工芸】通販で購入する前に知っておきたい　漆仕上げの木工芸品とは

木工芸品の材料となる木材について

木材について理解を深めるためには、まず世界と日本の森林事情を知っておくことが大切です。銘木についてもご紹介します。

・世界の森林事情

現在、世界の森林面積は陸地面積の約3割を占めていますが、毎年減少を続けています。その理由は、世界的な人口増加に伴う木材需要の向上による過剰な伐採、農地への転用、森林火災、違法伐採などによるものです。森林を守るために各国では森林伐採の面積・量・区域、樹種などが法令で定められており、これに違反して行われる伐採を違法伐採といい、全世界の森林伐採の15～30%が違法であるとされています。

日本にもこの違法伐採された木材が輸入されており、世界の森林を守るためには、合法性、持続可能性の証明された木材を購入していくことが重要です。

・日本の森林事情

日本の森林事情は世界の森林事情とは異なります。日本は世界でも有数の森林大国です。しかし手入れされずに放置された人工林が増加しており、森林密度が高くなり続けています。森林密度が高くなりすぎると二酸化炭素の吸収量の低下や、土砂崩れの原因となります。林業従事者の減少も大きな問題で、適正価格で国産材を買って使う好循環が求められています。

・銘木とは

銘木（めいぼく）という定義は曖昧ですが、建物の骨組みに使われるような一般的な材料よりも、観賞価値が高いものを指します。樹齢が長い（おおよそ200年以上）、縮杢（ちぢみもく）・葡萄杢（ぶどうもく）など杢のでたもの、逆に素直に木目の通った年輪密度が高いもの、などを指す事が多いです。

木金堂の木工芸品は銘木を多く使用しています。そして、サスティナブルな観点から、今ある在庫を除いて今後は国産材のみを使用していきます。

刳り物とは

木工芸には、刳り物、指物、挽き物、曲物、その他多様な技術があり、木金堂の木工芸品は、刳り物（くりもの）と呼ばれる物です。刳り物とは一つの木のかたまりを刃物で切ったり削ったりして刳りぬいて形作った物のことです。

拭き漆仕上げの木工芸品(刳り物)の作業工程

木工芸品が完成するまでの作業工程は以下のとおりです（工程は臨機応変に変動します）。

・Step1…デザインの考案、スケッチ

作りたいイメージをスケッチしておきます。

・Step2…材料の選定、製材

デザインに合う材料を厳選し、ある程度製材しておきます。

・Step3…図面の作成

用紙に、表・裏・断面などを製図します。

・Step4…テンプレート（型紙・型板）の作成

製図をもとにテンプレートを作成します（テンプレートは作成しない場合もあります）。

・Step5…試作の材料に印付け

テンプレートを使って試作材に印付けを行います。

・Step6…試作品の作成

形状を確認するため、試作品を作ります（試作してみて問題があった場合、Step3に戻ってやり直します）。

・Step7…木材に印付け

試作で問題がなければ、テンプレートを使って、今度は実際に製品になる木材に印付けを行います。

・Step8…木の造形

印に沿って改めて製材し、いよいよ木を削って造形します。杢の出た材料が多いため、目飛びや逆目には十分注意します。

・Step9…拭き漆

漆の塗りと研ぎを10回近く、摺り込んで拭き上げることを10～20回行います。

木金堂の通販サイトでは、お箸や靴べら、手鏡など拭き漆仕上げの木工芸品を多数取り扱っております。

通販で長く愛用できる高品質なお箸をお探しの際には、木金堂の通販サイトでぜひお選びください。

女性用（210mm）・男性用（230mm）のお箸をご用意しております。